恋愛について>未練が先に立つが踏み込めない、最低な男

Ｃase 2　（13）
Ｓ子が新しい人生を歩む為の合コンが行なわれている当日の夜、私の気持ちは張り裂けそうだった。
早めに帰宅して夕飯を奥さんと食べていても上の空で、それでいてソワソワしているのを奥さんが察知して、
「落ち着かないわね、どうしたの？会社で何かあったの？」と聞いて来るけど、
「別に何も・・・たまには外食すればよかったな。」などと言って、実はＳ子が居そうな繁華街へ出れば気が晴れるかと思いそんな事を言ってみたりした。

「そう言えば、最近派遣の娘の話ししなくなったわね、辞めちゃったの？」と奥さんの言葉にドキッとしながらも、私は
「まじめにやってるよ、やめてもらっちゃ困るよ」と答えれば
「ふーん、辞めたかと思ったわよ、最近話題にしないから」
一番話題にしたくない話しです、と心の中で思いつつ、眠れなくなりそうな夜に、酒でも飲んで気分を変えるかと焼酎をいつもより濃い目にして飲み始めました。

いつの間にか居間で寝てしまっていた事に気付き、目を開けると携帯にメールが着信している事に気付きました。
相手はＳ子でした。Ｓ子は今回の合コンは別に彼氏目的の合コンでなくて単なる飲み会で、心配するほどの事ではなかったと言う旨を知らせてきたのだ。
このメール内容からしても、Ｓ子は未だ私との将来に期待を寄せている、しかし私の心の中には、何かＳ子を失いたくない気持ちもあるものの、それに踏み切れないでいる自分に限界を感じていたのです。